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空調のプロが教えるコロナ対策換気についての基礎知識

新型コロナウイルスへの対策として不可欠なのが換気。
ここでは、二つの換気方法とその種類、またメリットなどをご案内します。


コロナ感染予防に求められる換気量とは
建物の換気には、建築基準法が規定する基準があります。それははCO2濃度基準によって定められている換気。これは、成人男子の安静時に発生 する1人当たりのCO2排出量から算出された換気量で、1人に対して1時間当たり20㎥以上の換気量を確保する必要があるとされています[建 築基準法施行令20条の2]。
さらに、2020年からコロナに対して推奨される換気量が厚生労働省から発表され、これは一人当たり30㎥/hとされました。部屋に4人いれ ば、120㎥/h以上の換気を行うことが求められます。 つまり、コロナ前の換気基準よりもコロナ対策のためには1.5倍の換気量がもとめられていて、空間の換気環境の見直しが推奨されています。
換気の種類と目的
換気は、自然換気と機械換気という2種類の方法に大別されます。自然換気は窓を開けて自然の通風を促すことで、排気と給気を同時に行うもので す。機械換気に比べて大きな換気量を確保できる点が大きなメリットです。一方の機械換気は、換気扇などを利用して換気を機械的に制御するもの です。
換気の種類は大きく分けて「機械換気」と「自然換気」 
自然換気とはその名の通り換気専用機械を使わずに、窓やエントランス、扇風機(サーキュレーター)などを活用した換気手段です。何よりも投資 がかからず、ちょっとした工夫で換気環境が大幅に改善できる場合もありますのでぜひ今すぐチャレンジしましょう。

まずは、今ある環境の中で換気を向上させることを検討しましょう。

自然換気を促すポイント&注意点

1. 対角線を意識した空気の流れをつくる


換気を効率的にするには「入口」「出口」「通り道」の3つを適切に作り出すことが重要です。
換気は新鮮な空気を「どこから入れて」「どこを通り」「どこから出すのか」をイメージしながら計画的に考える必要があります。1か所の窓だけ でなく、その対角線上にある他の窓を開けて、部屋全体に空気の流れをつくることを考えます。例えばキッチンの換気扇を回しながらすぐ近くの窓 を開けていても、空気の流れはその周辺のみで完結してしまい、効率的な換気にはなりません。
複数の窓やドアを開けて空気の出入りを促そうと考えられる方は多くいますが、実は換気効率がさがります。 対角線を意識して入り口と出口を計画的に設定しましょう!
さらに風上の窓は少し小さめ(15センチぐらい)風下の窓は全開にすると効率は最大化されます。
Point!

平面で対角線上になるだけなく、上下の関係も大事になります。理想は下から上へ空気を導くと最大効率となります。 外から風が吹いてくる窓を風上、その対角を排気と設定することも大事です。


2. サーキュレーター、扇風機を活用する


商業ビルやマンションの間取り関係などで窓が一方向にしかない場合などでは、対角線に空気の流れを設定できないこともありますよね。そのよう な時にはサーキュレーター(空気を循環させることを目的としている機器)を活用しましょう。 対角で開けて風の通り道を作ると、部屋全体に空気が循環し、淀みなく換気ができます。
窓が一面にしかない場合では、この空気が淀む場所に扇風機で風を送ったり、窓を開けながら換気扇を運転することで、淀みの解消につながりま す。

3. 換気口、給気口の状態確認する


各室内の壁に付いている「給気口」を確認します。外から空気が入ってきて寒いことから、冬に「給気口」を閉じてしまったまま、そのまま閉めっ ぱなしになっているケースが実は多いです。給気口を閉じたままだと、『換気経路』の給気側から屋外の空気が屋内に入らないので、空間全体の換 気効率が下がります。 また、店舗などの場合によく見られますが、清掃状況がよくなく換気効率が著しく下がっているケースも多いです。そのような場合は自分で掃除をしっかりされるか、クリーニン グ業者に相談しましょう。


4. エアコンがあるから大丈夫?1番大丈夫じゃありません


エアコンは換気してくれていると思われている方がとても多いのですが、ほとんどのエアコンは家庭用・業務用問わず換気の機能はありません。室 外機があるのでいかにも換気していそうな気がしますよね。エアコンはあくまでも室内の空気を循環させているだけなのです。
エアコンをつけているから大丈夫は最も大丈夫でない状態ですので、窓を開けるなど換気量を増やす活動を積 極的にする必要があるのです。
換気を促す適切な位置に窓などがない場合には、今ある空調設備はそのままに追加で工事をすることにより 24時間換気を促す「高機能換気装置」というものがございますので、ご興味がある方はご相談ください。
「高機能換気装置」はコロナ対策設備として今最も注目されています。。

参照:日本建築学会や空気調和・衛生工学会「新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関 して 緊急会長談話」より一部抜粋

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機械による換気の方法
機械による換気には3つの方式があります。第1種換気方式・第2種換気方式・第3種換気方式です。
第1種換気
第1種換気方式とは入口である給気口・出口である排気口の双方にファンなどの機械換気装置をつける方式です。
機械により、空気を入れて機械により空気を出すことで、効率良く計画的に換気ができます。
第1種換気のメリット

・室内の気圧は外気とほぼ同等となり問題を発生する危険性が少ない。

・狙いの場所から空気が入り狙いの場所から空気が出るので狙い通りの換気が可能。

第1種換気のデメリット

・双方に機械がつくことで費用がかさむ。

第2種換気
入り口にファンなどの機械換気装置を取り付け、出口には機械換気装置はなく自然排気で簡単に言うと、「ただ穴が空いているだけ」という換気方 式です。 入り口にあるファンが強制的に室内に空気を押し込み、押し出される形で排気口から空気が出て行くことで、室内の気圧が外気より上がります(正 圧となる)。3つの方式の中では最も普及していません。

第2種換気のメリット・デメリット

第2種換気は、正圧になることが使用される建物の使用用途により、メリットにもデメリットにもなりえます。
正圧であることは、常に新鮮な空気を取り入れることができるため、クリーンルームではメリットとなります。 しかし一般的な木造戸建て住宅の場合、室内の湿度や汚れた空気が屋根裏や壁の中に入り込み、多くの湿気を含んだ空気が急激に冷やされて、結露を起こす可能性が非常に高くな ります。 特に北海道などでは注意が必要です。
そのため、木造戸建て住宅ではこの換気方式はほぼ使われておりません。

第3種換気
第3種換気は第2種換気とは逆の構造です。外気の入り口である給気口は自然給気で、出口である排気口にファンなどの機械換気装置が設置されたものです。給気口の機械が空気 を引っ張りだしていることにより、部屋の中は外気よりも気圧が下がります(負圧)。家庭の中でわかりやすい例としてはトイレの換気扇などがこ れにあたります。

第3種換気のメリット

・導入・ランニングコストが安いこと
・負圧になるため、室内は外気より気圧が下がり小屋裏や壁内への湿気の侵入を防ぐことができる

第3種換気のデメリット

・小屋裏などの多少汚れた空気が入りこむ危険性がある。(小屋裏や床下は木材や合板などが露出してい る場所であり、ホルムアルデヒドや防腐
・防蟻剤が内装材に包まれた室内より多く発生する箇所であ るため。) ・住宅の気密性能があまり高くない場合、様々な隙間から空気が室内に流入することで、給気口から十 分な給気が行われず、家の中に換気不良の箇所が生まれる危険性がある

どの換気方式がおすすめ?
換気方式は、皆さんが何を重視するか目的によって異なります。
より詳細な情報をお聞きした方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
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